二輪バイク『首都圏高速道路定額2日間乗り放題』について考察

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※9/18追記しました

※6/25追記しました

昨日は日本全国のあらゆるメディアがハンターハンターショックに沸いたせいで、すっかり目立たなくなっていたがこんなニュースもあった。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170531-00000002-at_s-l22

僕はこう見えてバイクも乗るんです。

だからこういったニュースは素直に嬉しい。

バイクも車も結構乗るから、どちらの気持ちもわかるけどやっぱりどちらかというとライダー目線になってしまう。

今の日本はバイクが冷遇されていると言わざるをえない。

では今回の高速道路定額の件と絡めて僕なりのバイク論を語ってみることにする。

そもそも定額2日間乗り放題とは

まだ詳細が出ていないので何とも言えないが、現時点で明らかになっている情報は以下の通り。

国土交通省は30日、自民党二輪車問題対策プロジェクトチームの会合で、ETC搭載の二輪車を対象に7月下旬から、首都圏の高速道路が定額で2日間乗り放題(乗り降り自由)になる料金割引プランを導入する方針を明らかにした。


静岡県内は東名高速道沼津インターチェンジ(IC)、新東名高速道長泉沼津ICまでが対象エリアに入る予定。二輪車に特化した高速道路の乗り放題プランは国内初。


<中略>


期間は今秋までの予定。首都圏の高速道路網を「東名・中央」など4エリアに区分したプラン案を設定。いずれも通常のETC料金では往復で5千円前後かかるが、2500円で2日間乗り放題にする。


<中略>


プラン利用には事前のネット予約が必要。

うーん、内容自体は微妙といえば微妙。

適用範囲もさることながら『2日間』『事前のネット予約が必要』辺りが微妙だ。

まずツーリングはそもそも天気に大きく左右される。

その日しか休みが無い!とかマスツーリングの予定を組んだ!とかじゃければ基本的に日帰りツーリングは当日晴れていれば決行。雨なら延期にするだろう。

にも関わらず事前予約が必要というのはいただけない。

さらに、2日間というのもアレだ。

今のバイク所有者のメインは40代~60代。

当然家族と過ごす時間も必要だろうし、土日丸々ツーリングというわけにも行かないだろう。

それに2日間続けて晴れるのか、という問題もある。

これならばスパッと切りよく1日1000円乗り放題(一定範囲まで)をETCを付けたバイクならば自動適用(事前申請不要)でいいと思う。

※6/25追記ここから

詳細が発表されました!

期間は7/14(金)~11/30(木)

2日間で2500円

区間は高速道路ごとに4つのパターンに分かれている模様。

以下ネクスコ東日本の公式PDF参照

http://www.e-nexco.co.jp/pressroom/press_release/head_office/h29/0621/pdfs/pdf.pdf

事前予約ってのが結構面倒。

ただ、

※ご利用日の最初の出口ICを通過する前までに、「①関越道・上信越道・東北道コース」、「②東北道・常磐道コース」、「③東関東道・館山道コース」をお申込みの場合は、NEXCO東日本の公式Webサイト「ドラぷら」から、「④東名・中央道コース」をお申込みの場合は、NEXCO中日本の公式Webサイト「速旅 旅行ドライブ」から検索し、画面に従い、利用日、お名前、連絡先、ETCカード情報、二輪車の車両番号標(ナンバープレート)情報などを入力してお申し込みください。

とあるので、当日でも高速降りるまではギリギリ申し込みできるっぽいね。

あと2日間ってのがやっぱり余計。

僕の場合はまず土日両方ツーリングって厳しいから、1日/1250円にしてほしい。絶対ソッチのほうが使いやすい。

仮に1泊2日で使うとしても各日とも片道ずつしか使わないことになるし、そもそもこの距離でバイク乗って宿泊って考えにくい。

そもそも頻繁に乗り降りするような距離感でもないし、乗り放題である必要性もあんまり・・・。うーん、なんか微妙すぎる。

まあ1回くらいはつかってみるかもね。

※6/25追記ここまで

※9/18追記ここから

遅まきながら、実際に利用してみました。

案の定、申込みが面倒だった。

そもそもどこから申し込めばいいのかがまずわかりづらい。

それぞれコースごとに申込先が違うんです。

各リンクを張っておくので、以下から直接申込可能。

1.関越道・上信越道・東北道コース

2.東北道・常磐道コース

3.東関東道・館山道コース

4.東名・中央道コース

それぞれの画面の下の方に申し込み用のボタンがあるので、それをクリックして進む。

ちなみに事前に会員登録が必要なので注意!

※9/18追記ここまで




実は、高速料金割引の話は昔話題になったことがある。

たしかそのときは普通車2000円、軽自動車1000円乗り放題とかそんな話だったと思う。

当時はとても嬉しかったが、結局は中止になった。

その後すぐ東日本大震災が起こったため、その予算は復興支援に回されたのだ。

そして苦節6年。今になってようやくバイク特別価格の話が復活してきた。

日本における自動二輪車の冷遇

前述の通り、日本はバイクが冷遇されていると言われている。

『バイクが軽自動車と同じ高速料金なのは不公平』

『小型2輪の免許取得をもっと容易にすべき』

『バイクの駐輪場が少なすぎる』

このあたりはずっと前が言われている話だ。

まあ小型2輪の話はどうでもいいけど、高速料金と駐輪場問題については確かにわかる。

特に高速料金は道路に与えるダメージに応じて徴収されるという前提があるので、単純に考えるならば一律ではなく全車種全車両まとめて『重さ×kgあたりの固定料金』とすればよいだけだ。

(+タイヤの数や形状を加味してもいいと思う)

小型車とか普通車で区切る話でもない。

ETCのゲート通過時に自動的に重さを検出するor事前登録制にすれば技術的には可能なはず。(コストは一旦無視)

また、駐車場に関しては努力義務がせいぜいだろう。

しかし、この辺の要望や不満は当然ながら基本的にライダーからしか声が上がってこない。

そもそも車に比べ圧倒的に少数派であるため声が小さいし、民間企業からすれば費用対効果も良くないだろうし、未だにバイク=マナーが悪いというイメージは払拭できていない。

実際に今回の定額乗り放題のYahooの記事のコメントを見ても、バイクに乗らない人からのコメントが多く、その内容はバイク増加による事故やマナー違反を危惧するものだ。

やはりバイクは危険、迷惑という認識は根強い。

2輪業界の今後

とりあえず、今回の2輪特別優遇というのは偉大なる一歩だと思う。

コレが引き金になって今後バイクの扱いが見直されていけばベストだ。

そのためにもライダー一人ひとりがマナーを守って運転することが大事だ。

ちなみによく通勤時間のすり抜けとかで話題なるような悪名高い原付や小型2輪スクーター乗りと、休日ツーリングに行く層は実はあまり交わらない。

その為、のんびり一人で休日のツーリングを楽しむようなオッサンは、ただ一人で肩パットもっこりの恥ずかしい格好で風景写真を撮っているだけで基本的にマナーが良く人畜無害だったりするんだよ!

とはいえ、非バイク乗りからすれば原付も大型も等しくバイクなわけだから、全体的なマナーの底上げが必要だろうね。

というわけで個人的には小型2輪や原付の免許取得は、しっかり教習や座学を行ってむしろ今よりもハードルを上げるべきだと思う。

それに僕はもう免許持ってるからカンケー無いし(ハナホジー)

今更高速料金がちょっと安くなったくらいでバイクの需要がV字回復するとも思えないので、バイクに乗るメリットをもっと作ってあげるべきだと思う。

それは法整備もそうだし、魅力的なバイクを増やすこともそうだ。

それによって車が減れば環境にもやさしく渋滞回避にもなり、経済効果は大きいだろう。

ポイントは、もっと手軽に乗れるバイクを増やすこと。

キーになるのはヘルメット不要で雨にも濡れない屋根付き3輪の宅配用みたいなバイクだ。

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photo by ジャイロキャノピー/Honda

これを今後、スタイリッシュなデザインでヒットさせられれば一気にまたバイクがブレイクする可能性はあると思う。

お手軽で場所も取らず、自転車よりもずっと大量の荷物が積めて燃費も良いならば、一人で軽自動車に乗っている層を取り込める余地はある。

さらに実用だけでなくバイク自体を操る楽しさを感じてもらえれば、次の段階としてメガスポ、クルーザー、オフロード等へステップアップすることだってありえる。

例えばそう!スズキのブルバード400みたいなバイクとかね!!

今のバイク業界は、いろいろな意味で最初のハードルが高すぎることが最大の問題な気がする。

免許云々よりも、まずバイク自体に興味をもたせる事が重要だろう。

まあ僕の勝手な妄想だけど。

まとめ

とにかく、内容はまだまだ改善の余地があるとはいえ、バイク独自の特別措置が行われるということはとても大きな意味があると思う。

とりあえず1度位は使ってみたいので、7月を楽しみに待つのである。

ついでにもっと魅力的なバイクが発表されて業界が賑わっていけばいい。

さあて、2017年度のツーリングマップルでも注文しよっかな!

おしまい