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トイレでおしっこをしようとするとおならが出そうになる現象

トイレ

世の中の男性諸君ならば理解してもらえると思う。

用を足そうと思って、公衆トイレなどに行く。

適当にあいている場所に陣取り、ズボンのチャックを下ろす。

そしてチャックの間からアレを取り出す。

その後、気を整え、拝み 祈り 構えて 放つ!

が、この時、突如として招かれる客が一緒に出そうになる時がある。

そう、おならである。

この場合、もしそのままおしっこを出そうとすれば一緒におならが出るのは避けられない。

いくらトイレとはいえ、周りに人がいるときはおならは避けたい。

基本的におならは一人でしたいのだ。そう、一人でゆっくりと楽しみたい。

周りに誰もいないのであればまだよい。

しかし、人がいてはだめだ。特に職場や学校のトイレでは知り合いがいる。

そんな中、おならを放つわけにはいかない。

「あいつ、大人しい顔して屁こいたよ、ププ」なんて思われたら僕のアイデンティティが崩壊しかねない。

こういう場合はひたすらおならの波が収まるまで子の理不尽な仕打ちに耐えるしかない。

そして、波が去ったのちようやくおしっこを再開するのだ。

時折こんなことがあり得るのだが、果たして体のなかではどんなことが起こっているのか。

なぜおしっこをしようとしているのにおならがでるのか。

まるで呼んでいない友達が勝手に合コンに来ちゃった!みたいなものではないか。どうやって人数合わせすればよいのか。

改めて体の中で何が起こっているのかを分かりやすく説明してみた。

登場人物紹介

・『脳』さん

 おしっこやおならを出す為の指示を出す司令塔。いわば本田。

・『おしっこ』さん

 常に外に出る機会を狙っている。網走刑務所(膀胱)に収監されている。A級犯罪者達。

・『膀胱』さん

 おしっこさん達を閉じ込めている監獄。いわば網走刑務所。

・『骨盤底筋』さん

 網走刑務所(膀胱)の門番。彼が門を開けるとき、A級犯罪者達は世界に解き放たれる。

・『うんこ』さん

 S級犯罪者達の総称。彼らはおしっこさんより数段危険度が高く、ひとたび世に放たれてしまえば  パンデミックが起こり世界はくそみそになってしまう。

・『大腸』さん

 うんこさん達を閉じ込めている監獄。S級犯罪者を閉じ込めるためのアルカトラズ。

・『肛門括約筋』さん

 アルカトラズ(大腸)の門番。S級犯罪者達を止める唯一にして最後の要。命をとして門を守る防人。

・『おなら』さん

 S級犯罪者達の吐息。あるいはアルカトラズから漏れ出す瘴気。一般人はそれに触れるだけでも気を失いかねない。

・『便器』さん

 A級、S級犯罪者が行きつく先。そう、そこは処刑場。

第1章 脱獄者たち

さて、登場人物紹介が済んだところで改めて『おしっこしようとしたらいっしょにおならが出そうになる』事件の詳細を紐解いてみよう。

トイレに立ち、まず『脳』さんが『骨盤底筋』さんに指示を出す。

・・・

脳「あーチミチミ、A級犯罪者達をそろそろ処刑したまえ」

骨盤底筋「御意。門を開けやつらを処刑場に送ります!」

 ~網走刑務所~

おしっこ「だせー!ここからだせー!」

骨盤底筋「フフフ、元気のいい奴らだ、そんなに出たいならだしてやろう!」

ガラガラ(門が開く音)

おしっこ「ゲハハ!シャバだー!シャバに出れるぞー!・・・お?こ、これは!!」

おしっこ達は狂喜した。狭く暗い刑務所から外に出れるのだ。

しかし、おしっこ達が出た先は外ではなかった。

そこは無慈悲な白い陶器。便器であった。

おしっこ「は、謀ったなー!!!」

骨盤底筋「フハハハハ!!バカめ!貴様らがシャバに出れるはずがなかろう!貴様らの行きつく先は処刑場だけさ!」

第2章 魔界の瘴気

一方その頃、網走刑務所にほど近いアルカトラズでは異変がおこっていた。

肛門括約筋「む、なんだ?S級犯罪者達が騒いでいる・・・?」

突如、アルカトラズの門が大きく揺れ、勝手に開こうとしているではないか!

肛門括約筋「ば、馬鹿な!!くっ!絶対にここは通さん!!脳!脳ーーー!どうなっている!脳ーーーー!!!」

脳「い、いや、わしは何も指示しておらんぞ!!謀反だ!だ、脱獄だーーー!!」

肛門括約筋「くっ!仕方ない!骨盤底筋!閉じろ!!」

骨盤底筋「うおお!勝手に網走刑務所の門が!閉じる!?」

おしっこ「お?門が閉じる?ゲヘヘ!なんか知らんが助かったぜ!処刑場に送られるくらいなら網走にいた方がまだましさ!」

骨盤底筋「何をしている!?肛門括約筋!邪魔をするな!せっかくA級犯罪者共を一掃できるチャンスだというのに!」

肛門括約筋「うるさい!緊急事態だ!S級犯罪者が脱獄してしまう!!」

???「くっくっく・・・何やら大変そうですねえ」

骨盤底筋「だれだ!?貴様は?」

肛門括約筋「・・・。」

骨盤底筋「?知っているのか?」

肛門括約筋「・・・おならだ。」

おなら「久しぶりですねえ。もう少しでシャバに出れるところでしたが、間一髪で門を閉められてしまいましたね。クックック」

骨盤底筋「余裕かましやがって!お前が噂のS級犯罪者か?大したことないじゃないか!お前は脱獄に失敗したんだよ!ざまあみろ!」

おなら「おやおや、何も知らないんですね。フフフ」

脱獄が失敗したにもかかわらず、余裕の表情をうかべるおなら。一方肛門括約筋のひたいには汗がうかんでいる。

肛門括約筋「・・・じゃない。」

骨盤底筋「?」

肛門括約筋「こいつは本体じゃない。」

骨盤底筋「え?」

肛門括約筋「こいつはただの・・・うんこの息だ。」 

骨盤底筋「なん・・・だと・・・」

おなら「そう。ボクはただの息にすぎない。本体となるコア(うんこ)はまだ奥にいるんですよ」

そういっておならはニヤリと笑った。

第3章 S級犯罪者の実力

おなら「骨盤底筋さんは知らないかもしれませんが、肛門括約筋さんは、S級犯罪者の怖さをご存知ですよね?」

肛門括約筋「・・・・」

おなら「かつて何度か脱獄をはかられたことがありますもんねえええええ」

肛門括約筋「ぐ・・・。おれはもうあの頃とは違う!!」

おなら「おやおや、震えていますよ。」

骨盤底筋(こいつがこんなに恐れるなんて・・・)

その時、アルカトラズの門が大きく震えた!

???「グォォォォ!」

肛門括約筋「うおおお!!!!」

全力で門を閉じる肛門括約筋!!

おなら「安心してください。今のはただの準備運動ですよ」

骨盤底筋「!?今のが!?馬鹿な、門が吹き飛ぶかとおもったぞ・・・。」

おなら「さて、そろそろ主がよんでいますので帰りますか。。。でもまたすぐに来ますよ。次は主とともに・・・ね」

おならはアルカトラズの奥に去っていった。

肛門括約筋「く・・・。も、もういいぞ、骨盤底筋・・・。」

骨盤底筋「お前、すごい汗じゃないか!」

肛門括約筋「奴は必ずまた来る。俺はそれに備えなければならない。」

骨盤底筋(一体どんな恐ろしいやつなんだ・・・。)

こうして危機は去った。

その後予定通り、骨盤底筋は網走刑務所からおしっこ達を処刑場におくった。

だが、本当の危機はまだ去っていない。いつかまたうんこさんが脱獄をはかったとき、はたして肛門括約筋は

その猛攻に耐えることができるのか・・・。

エピローグ

後日、我々は肛門括約筋さんに単独インタビューを敢行した。

― なぜ、こんな危険な仕事を?

肛門括約筋「きっと誰かがやらなきゃならないから、、、ですかね。」

― 怖くはないんですか?

肛門括約筋「怖いですよ。いつでもね。奴がどこで脱獄を仕掛けてくるかわかりませんから。朝の電車なんてずっと気を張って監視しています。」

我々は、とても躊躇したがあの質問をしてみることにした。

― 今まで・・・、今まで脱獄されたことは・・・?

肛門括約筋「・・・この胸の傷は半年前に負った傷です。朝の京浜東北線の車内でね。」

肛門括約筋「奴にやられました。・・・完膚なきまで、ね。」

半年前。それは混雑で都内の一部の電車が止まった日だ。

そして未曾有のパンデミックが起こり世界がくそみそになった日とも一致する。

我々はこれ以上聞けなかった。あの日のことは思い出したくもない。

いや、もっと思い出したくないのは脳さんか。たしか彼はその日から数日間家から出れなかったと聞いている。

― インタビューありがとうございました。

肛門括約筋「こちらこそ。最後に一つだけいいですか。僕はもう、二度とあの過ちを繰り返すつもりはありません。この命をかけても」

絞りだすように語った肛門括約筋さんの横顔は、間違いなく戦士のそれだった。

大船に乗った気でいろよ。そう背中で語っているように見えた。

きっと肛門括約筋さんは負けないだろう。我々はそう確信している。

そう、いつの日かこの世からS級犯罪者がいなくなる日まで、彼の戦いは続くのだから。。。

~fin~